CDブックレットの印刷について

CDブックレットの印刷について

CDブックレットは、音楽CDに添付する冊子です。楽曲の歌詞やアーティストの写真、絵などが掲載されています。CDジャケットや歌詞カードなどと呼ばれることもあります。

CDブックレットは、紙の素材やCDブックレットの種類などを選ぶことで、オリジナリティのある印刷物が作成可能です。この記事ではCDブックレットの種類やおすすめの用紙などを紹介します。

CDブックレットは、印刷会社に依頼するほか、自宅やコンビニエンスストアのプリンターなどを使用して自作できます。

印刷業者の中には1部から製本・印刷依頼可能なところもあります。少部数の印刷では10部前後までは印刷費用が大きくかわらないため、10部から100部作ると単価を下げることができます。

1冊の価格と納期の目安

業者依頼※1 自作※2
折り加工(2~6ページ) 3,000円前後 100円〜400円
冊子(8~16ページ) 3,300円前後 400円〜800円
データ入稿後の出荷日の目安 2〜6営業日 -

※1:コート紙 110kg〜135kgの用紙を使用
※2:コンビニコピー機を使用し、A4サイズに両面カラー印刷した場合

その他、折り加工には8ページまで印刷できる観音折りやクロス折りなどのCDブックレットもあります。これらの印刷を業者で印刷する場合、最低印刷部数が100部前後になり、少部数の印刷ができず数万円の費用が必要になることもあります。デザイン作成前に何部から印刷可能か確認するようにしましょう。

CDブックレットは、折り加工されたものと冊子の2種類があります。

用紙1枚の表と裏面で構成されたブックレットです。1枚の用紙を折り加工せずに使用します。見開きサイズは120mm×121mmほどです。

用紙の真ん中で二つ折り加工をして4ページとするブックレットです。見開きサイズは120mm×242mmほどです。

用紙の左右の側面を内側に折り込んで三つ折りにしたり、Zのように見える形に折ったりして6ページに仕上げたブックレットです。見開きサイズは120mm×361mmほどです。

1枚の用紙に折り加工をして8ページとするブックレットです。折り方は、用紙を十文字折りや蛇腹折り、観音折りなどが用いられます。

見開きの用紙サイズは、十文字折りが約240mm×242m、蛇腹折りは120mm×484mmほど、観音折りは、約120mm×481mmほどです。

折り方の詳細は「折り加工の種類について」をご確認ください。

背表紙を針金で綴じる中綴じを使って、製本されたブックレットです。冊子タイプのブックレットで一般的な枚数である8~16ページに対応しています。冊子タイプは表紙と本文の用紙の種類や色を変え、オリジナリティを出すことも可能です。見開きサイズは120mm×242mm程度です。

冊子タイプも手作りできます。詳しくは「冊子を手作りしてみよう」をご覧ください。

CDブックレットには、表面に光沢のあるコート紙や、ツヤを消して落ち着いた質感があるマットコート紙などを使います。写真がメインのCDブックレットでは鮮明な印刷ができるコート紙、歌詞カードなど文字が多く入ったCDブックレットではマットコート紙を使うといいでしょう。

また用紙の印象自体もこだわる場合などは、ペルーラスノーホワイトといったファンシーペーパーや、クラフト紙を使うこともあります。

ブックレットに使う用紙の厚みは、135kg※3や110kgなどの厚手のものが使用されます。135kgは、雑誌の表紙やポスターなど、110kgはカタログやパンフレットなどによく使われる厚みです。

用紙の厚みは、CDブックレットの種類により選択しましょう。200kg以上の用紙を使うと紙が厚く、折りにくいため注意が必要です。

※3:連量と呼ばれる印刷業界で使われる紙の厚みをあらわす単位。紙の厚みが厚くなるほど連量の数字は大きくなります。

印刷物とモニターなどで色は違いが出やすいので注意が必要です。この違いはインクとモニターで表現できる色の範囲が違うためおこります。

なお、作成したデータをCMYKに変換することで、ある程度調整が可能です。鮮やかな青やピンク色などはくすむことがあるため、色の変化を避けたいときはくすみやすい色の使用を避けるといった対応が必要です。

また写真を印刷するときは、印刷物にのせる画像の原寸で300〜350dpiの解像度が必要になります。解像度の数値が下回ると鮮明に印刷されない可能性があるため、データを入稿するまえに確認しましょう。

CDブックレットはページ数にあわせて、加工や用紙を選ぶことが大切です。印刷会社にデザインを入稿する場合は、使用できるデータの形式がPDFなどに決まっている場合があります。依頼する印刷会社に確認しましょう。

また印刷業者にブックレットの作成を依頼する際、CDケースの後ろに差し込むリアジャケット(バックインレイ)や、CDケースの帯であるキャップ(サイドキャップ・帯)を付属品として一緒に作成できることがあります。ブックレットとともに付属品を作成すると、より市販のCDのような仕上がりに近づくため、あわせて作成してみるといいでしょう。