折り加工の種類について
折り加工は、印刷物を目的や用途に合わせ、一枚ずつさまざまな形に折る加工方法です。ダイレクトメールやチラシ、パンフレットなどの用途に合わせて、印刷物をコンパクトにしたり見やすく、使いやすくしたりするために用いられます。折り方により、用紙を見る人に与える印象も異なるため、印刷物の用途や目的に適した折り方を選択しましょう。
この記事では用途や目的に適した折り方を選べるように、折り加工の種類と自分で折る際のポイントをお伝えします。
折り方の種類と用途
折り加工は主に二つ折り、三つ折り、四つ折りと蛇腹折りなどのその他の用途にあわせた特殊な形の折り加工に分類されます。
折り加工の価格目安
100部 | 1000部 | |
二つ折り | 500 – 1,500円 | 1,000 – 2,500円 |
三つ折り | 500 – 2,000円 | 1,500 – 3,000円 |
四つ折り | 1,000 – 2,500円 | 1,500 – 4,000円 |
用途にあわせた折り加工 (DM折り、蛇腹折りなど) |
2,000 – 4,000円 | 2,000 – 5,000円 |
二つ折り(4ページ折り)
二つ折りは紙の中央から直角に折る折り方です。A4用紙で二つ折り加工をすると判型150mm×210mm、4ページの印刷物に仕上がります。
一般的には表紙を開いた中面の2ページに会社案内やサービスの説明などをまとめます。
用途例:ダイレクトメール、折込チラシ、パンフレット、リーフレット、カタログなど
三つ折り
三つ折りは用紙を3分割にして折る折り方です。紙面を3つ使いたいときや、コンパクトなサイズにして郵送したいときなどに用いられます。
三つ折りの折り方には、巻き三つ折りや外三つ折り、観音折りなどがあります。
・巻き三つ折り(片観音折り)
巻き三つ折りは用紙を3分割し、1面を内側に折ってから反対側の面を被せるように折る折り方です。A4用紙で巻き三つ折り加工をすると判型100mm×210mm、6ページの印刷物に仕上がります。長3封筒に収まる縦長のサイズです。
挨拶状や案内文を中面3ページにデザインして郵送する際に活用いただけます。
用途例:ダイレクトメール、パンフレット、リーフレット、カタログ、マップなど
・外三つ折り(Z折り)
外三つ折りは、3分割した用紙の両端の面がそれぞれ外側に来るように、ジグザグに山折りと谷折りにする折り方です。A4用紙で外三つ折り加工をすると判型100mm×210mm、6ページの印刷物に仕上がります。長3封筒に収まる縦長のサイズです。
外三つ折りは印刷面が見える折り方なので、クーポン付きのチラシなどに使われます。
用途例:ダイレクトメール、パンフレット、リーフレット、クーポン付きの印刷物など
・開き観音折り(両端折り)
開き観音折りは、用紙の両端を中央に向かって内側に折る折り方です。A4用紙で開き観音折り加工をすると判型150mm×210mm、6ページの印刷物に仕上がります。
開き観音折りは中央に大きなデザインが入るため、アートやデザイン関係のパンフレットなどに利用されることが多いです。
用途例:ダイレクトメール、パンフレット、リーフレットなど
四つ折り
四つ折りは、紙を二つ折りにしたあとに、再度二つ折りにする折り方です。種類は直角四つ折りや巻き四つ折り、観音折りがあります。
・直角四つ折り(クロス折り・十字折り・ページ折り)
直角四つ折りは、紙の長辺を二つ折りにした後、中央から垂直に二つ折りにする折り方です。A4用紙で直角四つ折り加工をすると判型105mm×150mm、8ページの印刷物に仕上がります。
直角四つ折りはサイズを小さくできるため、ポケットティッシュに挟み込むチラシやフリーペーパー、リーフレットなどに使われます。
用途例:ダイレクトメール、折込チラシ、パンフレット、リーフレット、地図、ポケットガイドなど
・巻き四つ折り
巻き四つ折りは紙を二つ折りにしてから、さらに同じ方向に二つ折りする折り方です。A4用紙で巻き四つ折り加工をすると判型74mm×210mm、8ページの印刷物に仕上がります。
巻き四つ折りはコンパクトなサイズに仕上りで、折った状態から紙を広げやすいため観光案内、リーフレット、パンフレットなどにも利用されます。
用途例:ダイレクトメール、パンフレット、リーフレット、観光案内、イベントガイドなど
・観音折り
観音折りは、おおむね4等分した紙の外側の2面を内側に折り込み、さらに中央から折る折り方です。A4用紙で巻き四つ折り加工をすると判型75mm×210mm、8ページの印刷物に仕上がります。
観音折りは持ち運びしやすく、多くの情報が掲載できるため、商品カタログやパンフレットなどの用途で選ばれることが多いです。
用途例:ダイレクトメール、パンフレット、リーフレット、商品カタログ、プログラム、営業案内など
用途に合わせた折り加工
・DM折り
DM折りとは、長辺の中心で2つ折りした紙をさらに巻き三つ折りにする折り方です。用紙を封筒で送付しやすいサイズに合わせて折るため、DM折りと呼ばれます。
A3サイズの用紙をDM折りすると長3封筒や洋長封筒に入る大きさにできます。B4サイズの場合は長4封筒に入るサイズです。
用途例:ダイレクトメールなど
・蛇腹折り(ジャバラ折り・経本折り・法帖折り・アコーディオン折り・外折り)
蛇腹折りは、用紙を4分割くらいにしてから山折りと谷折りを同じ方向に繰り返し、ジグザグとした形状に折り込む折り方です。折り込んだ用紙を上から見たときの形状がWやMの字のようになることが特徴です。
蛇腹折りは、経本折りや法帖折り、アコーディオン折り、外折りなどと呼ばれます。蛇腹折りや外折りと呼ばれる場合は、折り目の数に応じて漢数字が付きます。
折り目の数 | 呼び方 |
3 | 蛇腹折り三山・経本折り三山・W字折り・M折り・外四つ折り |
4 | 蛇腹折り四山・外五つ折り |
5 | 蛇腹折り四山・外六つ折り |
蛇腹折りは、大きなサイズの紙面もコンパクトにまとまるため、ガイドマップなどの情報量が多い印刷物をコンパクトにまとめたいときに使われます。
用途例:ダイレクトメール、パンフレット、リーフレット、カタログ、ガイドマップなど
・ピラミッド折り(変形蛇腹)
ピラミッド折りは、紙の面をずらしながら山折と谷折りを繰り返す折り方です。ずらして折ることで見えるようになった部分に目次などを印刷します。見出しがあると便利な観光案内やパンフレットなどの用途に適しています。
用途例:ダイレクトメール、パンフレット、観光案内、フロア案内など
・地図折り(ハンセン折り・マップ折り)
地図折りは、用紙を蛇腹折りした後、長辺を二つ折りや三つ折りをする折り方です。大きな用紙でもコンパクトになるため、地図や観光パンフレットなどに使われることが多いです。
用途例:地図、観光案内など
手作業で紙をきれいに折るコツ
紙はズレを防ぎ、折り目をきれいにつけるときれいに折れます。定規やクリップ、爪楊枝などの身近にあるもののほか、紙を折るために作られた専用の折りヘラや紙折りローラーなどを活用しましょう。
紙を折るときのずれを防ぐ
紙を折るときのずれがなくなるときれいに紙が折れます。洗濯バサミやクリップ、定規などを活用しましょう。
・洗濯バサミやクリップで角を固定する
紙の角がずれないように固定してずれを防ぐ方法です。
- 紙を折りたい方向に軽く折り、重なった角をクリップや洗濯バサミで固定する
- 紙の角と辺をあわせたまま全体的に軽く折り目をつける
- 定規や折りヘラなどを紙の折り目に押し当てながら折る
・定規で紙の辺を固定する
紙の辺を固定してずれにくくする方法です。
- 定規を紙の辺に当てて固定する
- 反対側の紙の辺を定規に当てるようにして軽く折り目をつける
- 折りヘラや定規などを紙の折り目に当てながらしっかりと折る
厚めの紙に折り跡をつける
厚めの紙を折るときは、折り目の位置に事前に跡を付けると紙がきれいに折りやすいです。なお、紙に折り跡を付けるときに力を入れすぎると紙が破れやすくなります。力の加減には注意してください。
- 紙の折り目の位置に定規を当て、カッターの刃の裏や爪楊枝など、先端が尖っているものを定規に沿って滑らせて跡を付ける
- 定規や折りヘラ、紙折りローラーなどで負荷を与えながら紙を折る