ハードカバーで本を作るために必要な準備とは?
更新:2023年9月21日

ハードカバーは、硬く厚い表紙で本文を包んだ本のことで上製本とも呼ばれます。ハードカバーには丈夫な表紙がついており破れにくいため、絵本などでよく使われます。また布やレザーを表紙に使うと見た目に高級感が出るため記念品を作る際にも選ばれることが多いです。
ハードカバーの本を作れるページの目安は、20~500ページです。この記事ではページ数以外にも、ハードカバーの本を作る際に確認する必要がある仕様と必要な準備を紹介します。
ハードカバーの特徴
ハードカバーは、耐久性と装飾のしやすさが特徴です。ハードカバーの表紙には厚みが2〜3mm程度の硬くて厚いボール紙が使われており、本文と表紙の間には必ず見返しとよばれる分離を防ぐ色紙が糊で貼られています。
またハードカバーは選べる装飾も多く、スピンとよばれる紐のしおりを付けたり、表紙に貼り付ける生地を革や布に変更できたりします。
ただし表紙に厚紙を使わないソフトカバーと比較すると、使用する材料費が高く、工程も多いため費用は高くなります。
※冊子製本キングではハードカバー製本は取り扱っておりません。
ハードカバー | ソフトカバー | |
価格 | 5,000円前後 | 1,000円前後 |
綴じることができるページ数 | 20~500ページ | 20~500ページ |
発注可能な最小部数 | 1部 | 1部 |
持ち運びやすさ | △ | 〇 |
耐久性 | 〇 | △ |
装飾しやすさ | 〇 | △ |
ハードカバー作成の流れと準備
ハードカバーの作成を業者に依頼する場合には、以下の流れで制作します。業者にハードカバー製本を依頼する場合は原稿入稿から納品まで、1〜2週間はかかると考えておくとよいでしょう。
※冊子製本キングではハードカバーは取り扱っておりません。
- ① 本の基本仕様やオプションなどを選ぶ
- ② 料金の見積もり
- ③ データ入稿
- ④ 注文手続き
- ⑤ 納品前のサンプル確認
- ⑥ 印刷〜製本
- ⑦ 納品
ハードカバーの仕様とオプションを選ぶ
ハードカバーの作成を依頼をする際は、本の仕様をあらかじめ決めておくとスムーズに進みます。
ハードカバーで綴じることができる本文ページ数は、20〜500ページです。ハードカバーのサイズは、A版、B版などの規格のほか正方形などの変形サイズでも作成可能です。
また、表紙の表面に貼るクロスの種類や、文字を金や銀で箔押し加工するなど、オプションを追加する事で本の印象も変わります。
ハードカバーが作成できる規格
本文ページ数 | 20〜500ページ |
サイズ |
B6 B5 B4 A6 A5 A4 正方形(180mm 210mm 260mm) |
表紙の種類 | 紙、布、レザー、ビニール |
ハードカバーで作る本の内容にあわせて表紙と本文用紙を選ぶ
ハードカバーの素材 | 用途 |
紙 | 絵本・写真集・アルバム |
布 | 記念誌・自分史 |
レザー | 論文・報告書 |
ハードカバーの絵本などカラーのイラストや写真を表紙に使いたい場合は、紙の表紙に光沢が出るPP加工やマットPP加工をすると、書店に並んでいる絵本の表紙に近い仕上がりになります。
ハードカバーの記念誌や論文などには重厚感がでる布やレザーがよく使われ、表紙に金色や銀色の文字を入れる箔押し加工やブックケースを合わせて作成すると、より高級感が増した仕上がりになるため人気です。
本文の用紙 | 特徴 |
上質紙 |
鉛筆やボールペンで文字が書きやすい用紙。 メモ用紙やコピー用紙として使われることが多い。 |
コート紙 |
紙自体にツヤがあり、発色がよい用紙。 光が反射して内容が読みにくいことがある。 |
マットコート紙 |
ツヤ消しされた用紙。 発色が鮮やかに映り、本を読んでいるときに光が反射しにくく見やすい。 |
ハードカバーの小説など文字が多い場合は上質紙、カラーのイラストや写真が多い場合はマットコート紙がおすすめです。
綴じ方は「糸がかり綴じ」「無線綴じ」が一般的
ハードカバーは、糸を使用した「糸がかり綴じ」や「ミシン綴じ」、接着剤を使用した「無線綴じ」などの方法で綴じます。
ページの抜け落ちをなるべく防ぎたい場合は、強度がある「糸がかり綴じ」や「無線綴じ」を選ぶとよいでしょう。
ハードカバーの最低ロットと料金を確認する
ハードカバーの本はページ数や部数、カラーページの数などによって、1冊5,000円〜10,000円で作成できます。
参考料金(オプション料金は含みません)
部数 | モノクロ※1 | フルカラー※2 |
1部 | 5,000円程度 | 5,000円〜10,000円程度 |
2部〜10部 | 4,000円程度 | 4,000円〜8,000円程度 |
50部〜100部 | 2,000円程度 | 3,000円程度 |
※1 150ページ A5サイズ 上質紙70kgを本文用紙に使用(ビジネス書など)
※2 20ページ A4サイズ マットコート紙135kgを本文用紙に使用(アルバムなど)
ハードカバーで作る本の原稿を作成して依頼する
原稿データはハードカバーの本が完成したときに見えなくなる部分や意図しない柄が出ないように、ノド(本をひらいたとき、とじ目に沿った中側の部分)や小口(本を開いた時の外側の部分)のデザインに注意しながら作成し納品しましょう。
原稿データを作る際の詳しいポイントは「製本用データの作り方」をご確認ください。
※冊子製本キングではハードカバーは取り扱っておりません。