ジャンル別印刷用紙の選び方

更新:2018年9月10日

コラム_ジャンル別印刷用紙の選び方

「ジャンル別で印刷用紙を選ぶことの意味」とは?
必ず一度は触れたことのある「紙」ですが、その紙にも様々な種類があります。ここ何年かでよく耳にするようになった「再生紙」というのも「紙」の一種です。この再生紙ですが、紙として上質なものではないため、卒業証書などに利用するには不向きですよね。しかし大量に印刷する場合の紙としては、再利用して作っている紙なので、地球にやさしい紙であるということが言えますよね(最近紙の消費も問題になっています)。
このように印刷したものの用途によって、紙も使い分けなくてはいけません。書籍には書籍に使うのに適している紙がありますし、カタログにはカタログに使うのに適している紙がありますよね。
その用途についての説明を今日は詳しく掘り下げていきたいと思います。

この記事を読んでいる人の中にも「どの紙を使っても大して変わりはない」と思っている方もいると思います。そういった方のために、どうして紙の使用用途が違うのかをご紹介させていただきます。

用紙の使用用途

① 書籍の良さを「紙」目線で考えてみよう。

まずは書籍の良さを「紙」の目線で考えてみましょう。
書籍が好きな人はこの世に何億人といます。その方々が本を好きな理由は人それぞれですが、本が「紙」だから好きという人も多いのではないでしょうか?
電子書籍よりも、本をめくるあの感覚、本をめくるときのあの音、本を読み進めている感じ。そのすべてが「本を読むこと」に繋がっているとしたら、本の紙質も重要な役割を担っているということになりますよね。このように、紙質と言っても、そこには製作者の方の熱い思いが宿っているのです。書籍の良さは「紙」の良さでもありますね。

② その紙が出せる独特の味わいがある

紙によって、その紙独自の特徴があります。色を鮮やかに表現できる紙もあれば、それとは逆にぼかした風合いで表現できる紙もあります。何か文字を書くのに適した紙もあれば、ツルツルした感触を出し、光沢を出すこともできます。
その紙の用途によって、どの紙で印刷するかは使い分ける必要があるので、ただの紙と侮ることはできません。

③ 用紙の厚みには注意が必要です。

次は、紙の「厚み」についてです。一般的に紙には「連量(「れんりょう」と読む。連量の前には斤量という単位が使われていた。)」という単位が用いられています。しかも単位が「kg」です。良くわからないですよね(笑)。
この連量という単位に「kg」が用いられているのは、「その紙を(サイズは46判)1000枚重ねたときの重さを表しているから」なんです。たとえば、一般的に使われているコピー用紙は約「70(正確には73)kg」です。これは、「一般的なコピー用紙を1000枚重ねたときに、その重さが70kgになるくらいの紙の厚さになる」ということを表しています。紙の厚さを厳密には測れないので、重さで測っているのでしょう。もちろん連量が大きくなればなるほど、紙の厚さは厚く、小さくなればなるほど、紙の厚さは薄いということになります。この連量があることによって、ある程度紙を重ねるとどのくらいの重さになるかがわかるようになります。

「1-③」だけでは理解できなかった方に具体的な紙の連量を紹介していきます。(読者の皆様にイメージが湧きやすいように、具体的な紙や冊子を紹介していますが、もちろんそれ以外にも同じ連量で異なる材質の紙は存在します。あくまで、一例としてとらえていただきますよう、お願いい申し上げます。)

用紙の厚さと連量

① 連量「58kg」

これは一般的なサイズこのコピー用紙よりもさらに薄いタイプの紙です。皆さんがよく目にするのは、「スーパーのチラシ」ですね。よく郵便ポストに近くのスーパーの特売品が書いてあるものを見つけると思いますが、あのチラシに使われている紙の厚さが「58kg」の連量の紙になります。

② 連量「73kg」

この連量は一番良く目にするでしょう。コピー用紙にはほとんどこの連量の紙が使われています。一般的な馴染みのある紙を思い浮かべていただければ差し支えありません。

③ 連量「90kg」

こちらの連量で定番なのは、パンフレットやチラシです。一般的なコピー用紙よりは厚いですが、冊子の表紙に使われる紙よりも薄いです。厚い紙が表紙の冊子では本文の内容にはこの連量の紙が使われているかもしれません。

④ 連量「110kg」

この連量が「100kg」を超えてくると、だんだん高級感が出てきますね。この連量110kgの紙は少し強度が高いチラシを思い浮かべてください。少し力を加えないと曲がらないチラシです。普通のチラシや紙とは違い、高級感を感じる紙を想像してみてください。

⑤ 連量「135kg」

このサイズはポスターに良く用いられている連量です。ポスターを貼るときのあの何とも言えない音。あれはこの連量の紙だからこそ実現できる音です。大好きなポスターに高級感を与えてくれるのが、この重さの紙ですね。

⑥ 連量「180kg」

この連量は意外とイメージつきやすいと思います。この連量で一番わかりやすいのは「はがき」です。はがきはこの連量の紙です。厚みがあって折り曲げにくいですよね。ここまで重くなると、枚数がかさばると重たくなってしまいますね。

⑦ 連量「220kg」

ここまでくるとあまりなじみあるものないな、、、と思っていたら、「名刺」がなんとこの連量。意外と名刺ってたくさん集めるとすごい厚さになるのですね。皆さんもぜひ機会があれば名刺の厚さを確認してみてください。

それでは本題の用紙の種類を見ていきましょう。

ジャンル別印刷用紙の選び方

① 上質紙

この種類の紙には表面加工が施されていないのが特徴です。そのため、鉛筆やボールペンで紙に書くことができ、メモ用紙やコピー用紙として使われることが多いです。表面加工がされていないため、紙自体はざらざらした感覚がします。文字の量が多い場合や書き込みをする紙を印刷する場合にはこの「上質紙」を選択しましょう。
具体的な使用用途 → コピー用紙など

② マット紙

この紙は、「マット」とつくように人工的にツヤ消しされた用紙を表します。発色が鮮やかに映り、光沢が抑えられます。光を反射した時にまぶしくなく、落ち着いた印象をもつ紙です。光の下で見ることが多い紙(文字数が多い紙、冊子)などに用いられることが多いです。
具体的な使用用途 → カタログなど

③ コート紙

続いての紙は、「コート」とつくように紙にコーティングが施されている紙です。コーティングですからもちろん光ります。紙自体にツヤがあり、光が反射するとまぶしいという印象も受けるかもしれません。写真を綺麗に見せたい場合などに重宝します。
具体的な使用用途 → 写真集など

④ B7バルキー

続いてはかっこいい名前の「B7バルキー」です。別名「書籍用紙」ともいわれ、書籍に適した白が綺麗な紙です。更に書き込みもしやすく、やわらかい印象を受けることができるのがこの紙の特徴です。
具体的な使用用途 → 書籍、雑誌など

⑤ ラフクリーム

「ラフクリーム」も「書籍用紙」の一種です。これは、「B7バルキー」が淡く黄色くなった紙です。「B7バルキー」と同様に書くことに適していて、眼に優しいという特徴があります。
具体的な使用用途 → 書籍(文庫本)など

⑥ アイベスト

この紙は表紙に用いられる紙で、色合いが綺麗に出るのが特徴です。表紙でインパクトを与えたい人は、この紙を用いて、表紙作成をすると良いと思います。さらにこの紙は紙自体の厚さもあるので、強度が高いことも特徴的です。
具体的な使用用途 → 表紙、名刺など

最後までご覧いただきありがとうございました!

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