くるみ製本とは?
更新:2025年7月1日

くるみ製本とは「くるみ綴じ」ともよばれ、本文ページの背を強力なノリで綴じ、表紙でくるんだ製本方法です。「線」とよばれるホチキスや糸を使用しないで製本するため「無線綴じ」ともいいます。
くるみ綴じは、マンガの単行本や文庫本、ページの多いカタログなどでよく活用されています。
本文ページを表紙でくるむことでできる背表紙へ、タイトルなどの文字を入れられます。また、くるみ綴じで作ったカタログなどはページ数が多くてもきれいに仕上がり、高級感が出やすいのが特徴です。
くるみ製本で本を作成すると背表紙ができ、しっかりとした印象で高級感がアップすると言われています。
とはいえ、作ろうとしている冊子は本当にくるみ製本でいいのか、ほかの方法と何が違うのか、わからない方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、ほかの製本方法との違いも含めてくるみ製本のメリット・デメリットもご紹介していきます。
くるみ製本(無線綴じ)のメリット・デメリットについて
くるみ製本(無線綴じ)のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・背表紙ができる ・両面印刷で500ページまでのページが多い本を作成できる ・強度があり長期の保存向き ・高級感が出やすい |
・見開き2ページのレイアウトデザインに向かない ・24ページ以下の少ないページ数では綴じることができない |
くるみ製本(無線綴じ)の料金について
くるみ製本(無線綴じ)は、用紙を綴じるだけなら用紙の枚数で250枚まで1冊220円~275円で綴じられます。
冊子製本キングでは、くるみ製本(無線綴じ)を1部442円から印刷できます。
原稿の持ち込みができない場合は、くるみ綴じの料金以外にモノクロで1枚8円、カラーで1枚30円~60円の印刷料金が別途かかる業者もあります。印刷料金は、モノクロで1枚8円、カラーで1枚30円~60円です。
また、カラー印刷でくるみ綴じの冊子を作る場合、印刷と製本がセット料金になっている業者の方が、コピー代が別途かかる業者よりも価格が安いことがあります。
くるみ製本(無線綴じ)の費用を安くするための工夫
くるみ製本(無線綴じ)の単価は、印刷する部数が増えたり、長めの納期で業者に依頼したりすることで安くできます。納期は2~3日長く設定するだけで1冊あたり50円前後安くなることがあるので、注文前に確認するよいでしょう。
くるみ製本(無線綴じ)と中綴じの違いについて
くるみ製本(無線綴じ)と同じくらい一般的な製本方法に「中綴じ」があります。
中綴じは印刷した用紙を重ねて中心で2つ折にし、折った部分を針金(ホチキス)で綴る製本方法です。
くるみ製本でページ数の少ない冊子を作成すると、冊子全体が反り返ってしまうなどうまく仕上がらない場合があります。
また、くるみ製本では本文ページを見開いた中央部分が完全には開かず「ノド」とよばれる綴じ代部分が見えなくなってしまいます。
そのため、ページ数が少なく、見開きレイアウトで作成したい場合にくるみ製本(無線綴じ)は適しています。
くるみ製本(無線綴じ)で発注できるページ数や部数
くるみ製本(無線綴じ)を作成する際はページ数や対応可能サイズなど制約があるため、冊子作成を検討する際はぜひ下記を参考にしてみてください。
印刷可能ページ数 | 2ページ~1,000ページ前後 ※紙の種類や厚さ、印刷会社によっても異なります。 |
部数 | 1部~1,000部 ※印刷会社によって異なります。 |
納期 | 即日~1週間での出荷 ※印刷会社によって異なります。 |
対応可能サイズ

冊子製本キングでは、くるみ製本(無線綴じ)を1部からご注文いただけますが、300部以上など大量に印刷する場合は事前問い合わせが必要となることがあります。
くるみ製本(無線綴じ)の納期は部数によっては即日出荷できますが、部数が多くなると3営業日、5営業日、7営業日出荷にかかります。
また、冊子製本キングでくるみ製本(無線綴じ)をご注文する場合、印刷時に選べる用紙も複数取り扱いがあります。筆記に適している用紙や発色が鮮やかな用紙など、ジャンル別用紙の選び方についてはこちらをご覧ください。
くるみ製本の原稿作成方法
くるみ製本(無線綴じ)の印刷用データを作成する方法をご説明していきます。
くるみ製本(無線綴じ)の本文の印刷用データを作成する際に気をつけて欲しいのが、「ノド」と呼ばれる冊子を開いたときの中側にあたる部分の余白です。
くるみ製本では用紙を綴じたときに、ノドが少しかくれてしまうので、その部分を考慮した15mm~20mmほどの余白が必要になります。重要な文章や大切な画像などは、ノドから離して作成するとさらに安心です。
冊子製本キングでは、印刷用データ作りのためのテンプレートをご用意しております。
マイクロソフト社の「Word(ワード)」「PowerPoint(パワーポイント)」とアドビ社の「Illustrator(イラストレーター)」の3つのソフトウェアごとにございます。必要に応じてご対応のソフトウェアを確認の上ご使用ください。
どのアプリケーションも、ご入稿の際には「PDF形式」への変換をお願いいたします。
「背表紙のデータ作成方法」と「表紙データの作り方」については、次で詳しくご説明していきます。
くるみ製本の背表紙のデータ作成方法
くるみ製本(無線綴じ)には背表紙があります。
背表紙とは、本や冊子の表表紙と裏表紙を繋ぐ部分にできる背のことで、本のタイトルなどが印刷されています。
本のページ数や紙の厚さによって背表紙の幅は異なり、希望のデザインをいれるのに十分な幅があれば、文字などを入れることができます。
本の背幅は、計算式やWEBサイト上のツールなどによって算出することができます。自分が作りたい本のページ数や用紙によってどの程度の背幅ができるのかを事前に知っておけば、デザインや仕様の変更も検討しやすくなるでしょう。
「冊子の背表紙を作るコツ」のページ内で、背幅を自動で計算するツールをご用意いたしております。サイズとページ数を入力し、用紙を選んでいただくと算出されますのでぜひご利用ください。
また背幅があっても、背と表紙、背と裏表紙の境目に重要な事柄をデザインすると、こちらもずれる可能性があるのでご注意ください。
データの作成は、表紙と裏表紙のデータと、背表紙だけのデータの3つを作成してください。ただし、全部が繋がった表紙のデザインをご希望の場合は、データも繋げて作成してください。
背表紙について特に希望がなければ、表紙を引き延ばして背表紙にします。引き延ばしが難しいデザインであれば、白色の背表紙にて作成させていただきます。
背表紙のデータの詳しい作成方法は「背表紙を作るコツ」にて、アプリケーションごとにご説明させていただいております。ぜひご参照ください。