無線綴じ・中綴じの違いとは?
更新:2025年7月25日

中綴じと無線綴じは、綴じることができるページ数と価格が違います。
中綴じは少ないページ向きの綴じ方で8ページの冊子を1冊332円~※1から作成できるのに対して、無線綴じはページ数が多い冊子向きの綴じ方で24ページの無線綴じ冊子は1冊549円~※2から作れます。
中綴じは製本にかかる工程が少ないため、作成する部数が10部より多くなると同じページ数を無線綴じで製本するより単価が安くなります。
※1 コート紙 90kg モノクロ印刷 7営業日 8ページ 1部ご購入の場合
※2 表紙:コート紙 110kg、本文:コート紙 90kg モノクロ印刷 7営業日 24ページ 1部ご購入の場合
無線綴じと中綴じのメリット・デメリットをふまえた選び方
目的の冊子を作るために綴じ方を選ぶポイントを表にまとめました。
無線綴じと中綴じのメリットとデメリット
無線綴じ | 中綴じ | |
強度 |
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レイアウト |
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価格 |
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本の形で長く残したいなら無線綴じ
無線綴じは印刷した用紙を1枚ずつ重ね、背の部分を糊で接着して表紙でくるむ製本方法です。無線綴じ製本された冊子はページが抜け落ちる心配がなく、丈夫で美しい仕上がりになるため、保存性の高い冊子に適しています。
無線綴じはページ数が多く、厚みのある冊子を作りたい場合によく利用されます。報告書や記念誌、作品集、教科書、小説、カタログなど幅広い用途で利用いただけます。
冊子製本キングでは、豊富な用紙の種類やPP加工などのオプションをご用意しており、お客様のニーズに合わせた無線綴じ冊子を作成できます。ページ数が多い冊子や、丈夫で美しい冊子を作りたい方はぜひ無線綴じ冊子をご検討ください。
ただし、無線綴じはページが開きにくく、見開きで写真をレイアウトした際にノド(綴じ代)の部分で隠れてしまいやすいです。
もし、ページ数が多く中綴じを使えないが開きやすさにもこだわりたい人には、PUR製本がおすすめです。


本の開きやすさや作りやすさを重視したいなら中綴じ
中綴じは印刷した用紙を重ねて中心で2つ折にし、折った部分を針金(ホチキス)で綴る製本方法です。中綴じ製本された冊子はページを奥まで開くことができるため、写真やイラストなど、見開きを1ページとするデザインに向いています。
中綴じは絵本や商品カタログ、フリーペーパー、チラシ、パンフレットなどの小冊子、情報誌、論文・レポート印刷など幅広い用途で利用いただけます。 中綴じは印刷用紙を半分に折ってホチキス止めする製本方法のため、ページ数が少なめの冊子に向いています。
冊子製本キングでは8~52ページまでの中綴じ冊子の注文に対応しています。なおページ数が多く、丈夫な冊子を作りたい方やPP加工などのオプションを選びたい方は無線綴じ冊子もご利用いただけます。


無線綴じと中綴じで実際に作られる冊子の種類
カタログなどページ数が多い冊子には無線綴じ
無線綴じは中綴じと比較して、ページ数が多い冊子に適しているため、カタログやマニュアル、教科書、論文、情報誌といった分厚い冊子や、背表紙に文字を入れられるメリットを活かして、タイトルを記載する小説や作品集などにもよく使われます。
また、無線綴じは中綴じと比較して、製本部分に強度があることから卒業文集やアルバムといった本文のページ数が多い冊子や少し価格が高くても大切な冊子を背表紙のある本の形で作りたいといった場合にもご利用頂いています。
パンフレットなどページ数が少ない冊子には中綴じ
中綴じは無線綴じと比較して、ページ数が少ない冊子に適しているため、持ち運びと配布を想定したパンフレットやフロアガイド、企画書、取扱説明書といった軽く薄い冊子のお問い合わせが多いです。
また、中綴じは無線綴じと比較して、冊子のノド(根本)まで開くことができ、見開きのデザインに向いているため、飲食店のメニュー表や週刊誌、学校案内などにも使われています。
冊子を作る際に気を付けたいポイント
冊子の製本や原稿づくりを行う際に知っておきたいポイントを紹介します。
左綴じか右綴じを確認する

一般的に本文が縦書きの場合は右綴じ、本文が横書きの場合は左綴じが採用されています。右綴じは、本の表紙を上にした際に、本のノド、つまり綴じている側が右側に来るものです。反対に、表紙を上にした際に本のノドが左側に来るものが左綴じです。また、右綴じは「右開き」、左綴じは「左開き」とも呼びます。
作りたい冊子ごとの綴じ方向の状況にあわせた判断基準については「右綴じと左綴じについて」をご確認ください。
無線綴じの場合「ノド」に注意
ノドとは、本の部位の名称の一つで、本を開いたときの中側にあたる部分を指します。反対に、本を開いたときの外側にあたる部分を「小口」と呼び、本の上側は「天」、本の下側は「地」と呼びます。また、ノドの裏側、一般的に背表紙といわれる部分は「背」と呼びます。
原稿を接着剤で綴じる場合、丁合いされた本の背を削る「ミーリング」と呼ばれる作業を加えたのち、糊付けをして表紙を接着するという工程をたどります。そのため、ページ数が多ければ多いほど本を完全に開ききることができず、ノドに近い部分は隠れて見にくくなってしまうのです。
ページが多くなった場合でも、見開き部分が隠れることを気にせず読めるようにするには、ノドの近くから離して文字や図版の配置をする考慮が必要です。組版ソフトでレイアウトする際には、最初にノドの余白を設定してから原稿を作成するとスムーズに進めることができます。

中綴じは「面付け」に注意
中綴じの製本過程には、「面付け」という作業があります。面付けとは、複数ページを大きな紙に印刷し、紙を折り裁断した上で製本した際に正しいページ順になるようにページを配置することです。1枚ずつ綴じられる無線綴じに比べ、中綴じは面付けが複雑なので注意が必要です。
左綴じを例にすると、面付は表紙と裏表紙を基準にページの順番を決めていくと考えやすいです。
まず、紙を重ねた際の一番下の面が表紙と裏表になるため、向かって左側の面はすべて奇数ページ、右側の面はすべて偶数ページとなります。表紙の裏は1ページ目、裏表紙の裏は最終ページになります。これで印刷する1枚目は完成します。あとは、重ねる紙の4面を片側に区切って割り当るページを考えていきましょう。表紙側はページ順に、裏表紙側はページの最後から順に原稿を割り当てていきます。
はじめて面付する際は、縮小印刷などを活用し実際にページの順番がズレないか確認すると失敗しないのでおすすめです。また、印刷会社に依頼する際は、専用のテンプレートに沿って面付けすると間違えにくいので、予め確認しても良いでしょう。
本の印象を決めるには紙の種類も大切
冊子は内容も大切ですが、どのような紙を使うかによっても仕上がりが違ってきます。高級感のある分厚い紙や、柔らかい紙、薄くめくりやすい紙、ツヤのある紙やマットな紙など、さまざまな種類があります。冊子製本キングでは、無線綴じでは6種類、中綴じでは3種類からお選びいただけます。
また、同じ種類の用紙でも、紙の厚さによって印象や使い勝手が異なります。無線綴じの場合は、表紙にグロスPP加工やマットPP加工をすることも可能です。冊子の仕様によって、目指したい仕上がりに合わせた紙の厚みやツヤ、質を選んでみてください。
冊子のサイズは既製品を参考にする

冊子のサイズは無線綴じと中綴じどちらも同じ種類が選べます。自分の作りたい冊子は一般的にどのサイズの用紙が使われているか確認してから製本するとイメージとのズレが少ないです。
冊子製本キングでは、A4、B5、A5、B6、A6の5種類で製本できます。これらは以下の用途に使われることが多いです。自身の作りたい冊子によってサイズも工夫してみると良いでしょう。
サイズ | 用途 |
A4 | 写真集、論文 |
A5 | 教科書(A4の半分の大きさ) |
A6 | 文庫本 |
B5 | 雑誌 |
まとめ
製本方法には、主に中綴じと無線綴じがあります。無線綴じは強度があるためページ数の多い冊子に適しており、表紙を厚いものにすると高級感のあるしっかりした冊子に仕上がります。中綴じは見開きページを180度開くことができます。見開きでのデザインに適した製本方法です。どちらの製本方法も部数が多くなると単価が安くなります。
それぞれのメリットとデメリットを考慮した上で、まずはページ数やどんな本を作りたいかを基準に製本方法を選ぶと良いでしょう。製本についてお悩みの際にはお気軽にお問い合わせください。