中綴じ製本とは?

更新:2024年6月3日

冊子の中綴じとは?

冊子の作成で一般的な製本方法のひとつが中綴じ製本です。
中綴じは、印刷した用紙を重ねて中央から二つ折りにし、折り目部分に針金や糸を通して固定する製本方法です。折り目部分を針金で綴じる方法を「針金綴じ」、糸で綴じる方法を「ミシン綴じ」と呼ぶこともあります。

中綴じは表紙をのぞいて48ページまでの、パンフレットや小冊子、商品カタログ、同人誌の作成に適した製本方法です。注文冊数が多くなるにつれて1冊あたりのコストが安くなる可能性が高いことが特徴です。

中綴じと無線綴じの違い

中綴じ冊子 無線綴じ冊子
単価(1部印刷)※1 842円 583円
単価(10部印刷)※1 210円 268円
背表紙 なし あり
ページ数※2 8〜52ページ 24〜500ページ
高級感
見開き
耐久性

※1:24ページ、A4サイズ、上質紙90kg(無線綴じの表紙は110kg)使用、モノクロ印刷、5日納品の価格参照。商品仕様や用紙によって異なります。
価格は冊子製本キングで製作した場合のものです。
※2:ページ数は冊子製本キングで対応可能なページ数を記載

中綴じ製本の工程は本文用紙を重ねて針金や糸で綴じるだけです。糊を使った無線綴じなどの製本方法より作業工程が少ないため、作成する部数が10部より多くなると他の方法より低予算で製本できます。

中綴じは印刷部数が8~52ページの用紙を綴じる際によく使われます。接着剤を使って製本する無線綴じなどは、糊代として冊子の背に厚みが必要なため24ページ以下の製本には不向きです。

中綴じは見開きページを180度開くことができます。写真や絵、地図など左右の見開きページ全体に配置するデザインに向いています。
また、ページを開いた状態を維持しやすいため、冊子の内容を見ながら会話をする商談中などで使用しやすいです。

食品・教育・介護などの業界では、怪我や異物混入などが起こらないように、針金は使用禁止になっていることがあります。関連する業界に向けて冊子を作る場合は注意が必要です。針金を使わない無線綴じやミシン綴じでの製本を検討するとよいでしょう。

中綴じは、総ページ数を4の倍数にする必要があります。用紙を重ねて二つ折りにして綴じるため、用紙1枚の裏表に4ページ印刷します。製本できるページ数も4の倍数です。表紙を含めると最低8ページの原稿が必要です。
全体のページ数が4の倍数にならない場合は、白紙ページの挿入やレイアウトの変更によるページ数の調整が必要です。例えば17ページの冊子を作成する場合、3ページ分の白紙ページを挿入して20ページとします。

・小口の余白は断裁位置より3~5㎜内側に

冊子を見開いた状態の両端を「小口」と呼びます。中綴じは用紙を重ねて中央から二つ折りにするため、内側のページに近づくにつれて小口が外にはみ出します。
はみ出た余計な部分は断裁し、外側のページの幅と合わせて仕上げることが一般的です。この工程でページの端に書かれた文字やイラストが、一緒に切り落とされることがあります。とくに、ページの端に配置されるインデックス※3やノンブル※4などを入れている場合は位置の調整が必要です。
中綴じ製本では、天地(ページの上下)と小口側のインデックスやノンブルは、仕上がり位置(断裁位置)よりも3〜5mm程度内側に配置しましょう。
※3:冊子の小口部分に色をつけて目印すること
※4:本や冊子のページ数を表す番号

・ページ端部の塗りたしは仕上がりサイズより3㎜外側に

塗りたしとは、印刷サイズいっぱいまで色や写真、罫線などがデザインされた原稿で、印刷サイズの外側まで色などを伸ばしておくことです。製本する際に小口部分は断裁されるため、塗りたしを作らないと原稿の端に白い余白ができます。
端部まできれいに印刷するために、仕上がりサイズよりも外側に3mm余裕を持った塗り足しが必要です。冊子製本キングでは、塗り足し位置が確認できるテンプレートをご用意しています。原稿を作成するソフトに合わせてご使用ください。

断裁のズレなどによる可読性を損ねないよう、中綴じ冊子の綴じ部分(ノド)から3mm以上外側に文字などを配置してください。

針金で綴じることができる最大ページ数は44ページ~96ページです。業者によって綴じることができるページ数は異なります。100ページを超えるような冊子になってしまう場合は、別の方法で綴じるようにしましょう。

用紙が厚すぎると針金や糸で固定しにくくなるため、用紙の厚みは薄手70kg※5から標準90kg程度が適しています。
たとえば、会社資料や試験問題などモノクロテキスト中心の冊子の場合は、コピー用紙としても使用される上質紙が適しています。厚みは、ノート程度である70kgや、週刊誌の表紙程度の90kgがよいでしょう。切符ほどの厚さがある110kgやハガキ程度の180kgは厚く、綴じる事ができるページ数も減ってしまいます。90kgの用紙と同じページ数を無理やり綴じると強度が落ちることもあるため、本文用紙で使用する場合はページ数などを適宜調整しましょう。

※5:印刷業界で使われる紙の厚みをあらわす連量とよばれる単位。一定の寸法の紙を1,000枚重ね合わせた時の重さのことで、紙の厚みが厚くなるほど連量は重くなる。

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