オンデマンド印刷とオフセット印刷の違いを解説
更新:2023年6月23日

オンデマンド印刷とオフセット印刷の大きな違いは印刷方法にあります。
オンデマンド印刷はデジタルデータを直接用紙に印刷する印刷方法なのに対して、オフセット印刷は印刷版を使って印刷します。
冊子製本キングの印刷方法はオンデマンド印刷になります。
オンデマンド印刷とオフセット印刷の違い
オンデマンド印刷とオフセット印刷の違いは、印刷方法に他に使用できるインクの種類です。これらの違いで対応しやすい部数や色の仕上がりが変わってきます。
オンデマンド印刷 | オフセット印刷 | |
---|---|---|
版 | 不要 | 必要 |
印刷の仕上がり | オフセット印刷よりは多少劣る | 色の再現性が高い |
推奨印刷部数 | 500部以下 | 1000部以上 |
1,000部未満のコスト | 安い | 高い |
1,000部以上のコスト | 高い | 安い |
特色(金色・銀色など) | 使用不可 | 使用可能 |
納期 | 短い | 長い |
対応サイズ | A3サイズ程度まで | 大サイズも印刷可能 (A0、菊全判など) |
デザインの変更 (複数デザインの印刷しやすさ) |
対応しやすい | 対応しにくい |
オンデマンド印刷とオフセット印刷では、オフセット印刷の方がきれいに仕上がります。これは、オフセット印刷のほうが高い解像度で処理できるためです。それぞれの印刷方法の解像度は、オフセット印刷は2400dpi前後、オンデマンド印刷は600~1200dpiになり、オフセット印刷の方がよりはっきりと細やかな印刷が可能です。
しかし、印刷物で一般的に推奨されている解像度はA1サイズまでが300~450dpiです。それ以上の大型の掲示物になると、遠くから見ることを想定したものが多くなりますので解像度200dpi程度が推奨されることもあります。
写真集など高い解像度にこだわりたい印刷物以外は、オンデマンド印刷で印刷しても問題ないです。
オンデマンド印刷とオフセット印刷の印刷方式の違い
フルカラー印刷は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクを使い、その配合を調整することで多彩な色を表現します。オンデマンド印刷とオフセット印刷は、どちらもこの4色を基本とするフルカラー印刷ですが、インクの付着方法と使用するインクの種類に違いがあります。
オンデマンド印刷は、電子写真方式やレーザープリンター方式を用い、トナーと呼ばれる粉状のインクを熱で紙に定着させる仕組みです。一方、オフセット印刷は平版印刷という方式で、インクを一度版に転写し、そこからゴムローラーを介して紙にインクを移します。この際、オンデマンド印刷で使われるトナーとは異なる、液体状のインクが使用されます。
そのため、両者は同じフルカラー印刷でありながら、インクの種類と紙への定着方法が根本的に異なる印刷技術が使用されています。
オンデマンド印刷とオフセット印刷に向いている印刷物の違い
印刷物ごとにオンデマンド印刷とオフセット印刷どちらを選ぶべきか目安をご紹介します。
印刷物によって、オンデマンド印刷とオフセット印刷を使い分けることが重要です。
オンデマンド印刷は、名刺や試験問題のように、1枚ごとに内容を変更する必要がある印刷物に最適です。また、少部数のチラシやポスターを短納期で作成したい場合にもおすすめです。
一方、オフセット印刷は、高品質なカタログや雑誌、大量のチラシやポスターを印刷する際に適しています。
印刷方法 | 向いている印刷物 |
---|---|
オンデマンド印刷 | 名刺、試験問題、ポストカード(ハガキ) |
オフセット印刷 | カタログ・雑誌、パンフレット、チラシ・ポスター、写真集・アートブック |