絵本の印刷や製本をネットで依頼する際のポイント

更新:2022年2月17日

絵本の印刷

オリジナルの絵本を、印刷会社で印刷と製本をすれば、まるで書店にある絵本のような仕上がりになります。冊子製本キングでは1冊から絵本のご注文が可能です。絵本の原稿をpdfで入稿いただければ1冊698円(税込)で製本でき2週間前後で完成します。
とはいえ、印刷会社に依頼するにはどうすればいいのかわからない人や、いろんな印刷や用紙の種類があってどれを選べばいいのか悩む人も多いかと思います。
この記事では、絵本を作成する際の流れやポイントを具体的に紹介していきます。

印刷会社に、オリジナル絵本を製本まで依頼する一般的な流れは「①原稿作成」→「②入稿」→「③校正」→「④印刷・製本」です。

「原稿作成」では、絵本の原稿をデジタルデータで用意します。原画がアナログのイラストであれば、デジタルデータに変換します。家庭用のスキャナーでもできますし、印刷会社によってはアナログの原画をスキャンして、デジタルデータに変換してくれるサービスがあります。

デジタルでの作成かスキャンによって自作の絵本の原稿ができたらデータの入稿へ進みましょう。ネット印刷では、印刷会社のサイトから入稿専用のフォームやメールに添付して送ります。

印刷会社で最初の試し刷りがされると「校正」といって色の確認や、誤字脱字のチェックをしなければいけない場合もあります。問題が無ければ、印刷され製本まで仕上がった完成品が手元に届きます。

冊子製本キングでオリジナル絵本の印刷と製本をした場合の、納期と費用をシミュレーションしてみました。
子どもが自分で手に取りやすいA5サイズ(148mm×210mm)です。本文用紙には子どもでもページをめくりやすい厚手のコート紙を選んだ条件での価格になります。

下記のような絵本ですと、1冊あたり698円で作成できます。納期を7営業日と余裕を持った期日にすると663円と35円お安くなります。

サイズ A5
綴じ方 無線綴じ
遊び紙 なし
ページ数 24ページ(表紙を含む)
表紙の加工 PP加工なし
表紙の印刷 カラー印刷
表紙の用紙 コート紙(最厚手135kg)
本文の印刷 カラー印刷
本文の用紙 コート紙(厚手110kg)
部数 1部
納期 5営業日

原稿を作成する前に、まずは絵本のサイズとページ数を決めると段取りよく絵本が仕上がります。絵本のサイズは、1歳児には200mm×200mmほどの小さめの正方形の絵本が人気です。2歳くらいになるとA4サイズ(210mm×297mm)ほどのサイズの絵本もよく作られます。

絵本は、ページ数には、印刷会社によって決まりがあります。また製本するには4の倍数のページが基本です。印刷会社と製本方法などによって異なりますが、絵本は見開きで読むことが多いので、2ページで1場面と考えて、ページ数を決めるのもおすすめです。

その他、「原稿の入稿方法の種類」を把握し、「表紙の種類」、「絵本に使う用紙の種類」、「オプション加工の要否」などの仕様を抑えるとスムーズです。

絵本の原稿を入稿する方法

手描きの絵本のデータを入稿する方法として「インターネット経由」と「郵送」、「持ち込み」といった方法があります。
多くの印刷会社では絵本のPDF形式での入稿に対応しています。印刷会社のサイトにあるフォームからか、メールにデータを添付してインターネット経由で送ります。「オンライン入稿」や「Web入稿」「データ入稿」とよばれる方法です。

手描きのアナログ原稿のまま入稿したいときは、印刷会社に郵送するか直接持ち込むこともできます。原稿の郵送と持ち込みは、印刷会社によっては予約が必要な場合や受け付けていない場合があるので、まずは確認してみてください。

絵本の表紙はハードカバーとソフトカバー両方が使われます。絵本の表紙はハードカバーが主流です。硬い表紙を使うことでお子さんが扱っても簡単に本が汚れたり破れたりしないようにするためです。一方本棚への収納しやすさや寝ながら行う読み聞かせの負担軽減を目的にソフトカバーで製本されている絵本もあります。
絵本に耐久性を求める場合はハードカバー、大人の使いやすさを重視する場合はソフトカバーなど用途にあわせて使い分けると良いでしょう。

印刷会社によっては用紙や用紙の厚さの種類が豊富で、絵本の表紙や本文にどの用紙を選んだらいいか迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは、仕上がりのイメージ別に絵本の表紙におすすめの用紙と、本文におすすめの用紙をそれぞれご紹介します。

絵本雑誌のような仕上がりにしたい人におすすめのコート紙・アート紙(表紙用紙)

写実的なイラストを載せるなど、ツヤのある絵本の表紙を作る場合には「コート紙」か「アート紙」がおすすめです。コート紙やアート紙は「塗工紙」ともよばれ、紙の表面になめらかさを加えたり、ツヤや発色を高めたりするためのコーティングがほどこされています。またコーティングされている分だけ、コーティングのない紙よりも水に強くなり、丈夫になっています。

優しい風合いに仕上げたい人におすすめのマットコート紙(本文用紙)

絵本の本文には「コート紙」「アート紙」の他にも、「マットコート紙」がおすすめです。
「マットコート紙」は「コート紙」よりツヤや光の反射をおさえられるため、明るい部屋の中でも文章が読みやすいです。またコート紙がツルっとしたさわり心地に対し、マットコート紙はさらっとしたさわり心地になります。「コート紙」「アート紙」「マットコート紙」のいずれも、紙の厚みは110㎏だと子どもでもめくりやすい厚みになります。

市販の絵本のような仕上がりの表紙にしたい場合はポリプロピレンの透明フィルムをはりつけるPP加工の活用がおすすめです。
PP加工を追加することで、表紙に書かれたイラストのツヤや発色がさらに高まります。
自作の絵本やイラスト集においてはツヤを高めて色味をより鮮やかにみせる「グロスPP」か、ツヤを抑えて落ち着いた雰囲気に仕上がる「マットPP」の2種類がオプションとしてよく選ばれています。表紙の補強やキズ防止にもなるため、長く保管したい絵本や贈りものを作る際も活用するとよいでしょう。

PP加工では「グロスPP」と「マットPP」の2種類が、さまざまな印刷会社で多く取り扱われています。「グロスPP」は、クリアPPとよばれることもあり、ツヤが高められる加工です。色味をよりあざやかに見せたい人におすすめです。「マットPP」はツヤを抑えた加工で、落ち着いた雰囲気に仕上がります。

印刷方法や絵本におすすめの綴じ方など、絵本の仕上がりに関わる部分は気になる方もいるのではないでしょうか。ここでは印刷方法による絵本の仕上がりと絵本におすすめの綴じ方について説明します。

絵本の印刷では、一般的に「オンデマンド印刷」と「オフセット印刷」の2種類の印刷方法があります。
オンデマンド印刷は1部からの少部数の印刷向きで、自作の絵本を記念に何部か作る場合では製本コストを抑えられます。
オフセット印刷は100部以上などたくさんの冊数を印刷するほどコストが抑えられるため、イベントなどで大人数に絵本を販売したり、配布したりする際におすすめです。
オンデマンド印刷による仕上がりは、大きなベタ塗りやグラデーションはムラがでると言われています。また、後日に増刷すると、先に完成した絵本と色味が変わることもあり、安定しないといった特徴があります。一方、オフセット印刷は品質が高く、多部数でも安定して最後まで印刷できるといった特徴があります。印刷の仕上がりをこだわりたい方はオフセット印刷がおすすめです。

子どもが扱う絵本では、針(ホチキス)を使わない「無線綴じ」、強度が高くキレイに見開ける「糸かがり綴じ」がおすすめです。どちらも背表紙に文字を印刷できるため、本棚へ収納した際にタイトルがわかりやすい綴じ方です。
「無線綴じ」とは、本文を表紙でくるみ、背をノリで固めて綴じる製本方法です。一般の書籍に多く利用されています。上製本に比べて安価に作成できるのに、背表紙も作れるので絵本らしさが出やすいです。
「糸かがり綴じ」とは、本文のページを束にし、糸でかがってつなぎ、背を強力なノリで固めます。こちらも強度が高く、180度キレイに見開けるのが特徴で、絵本でよく利用されています。

印刷のための原稿には、入稿の前にサイズの拡大や位置の調整が必要です。実際の印刷では、原稿のサイズよりずっと大きな紙に印刷され、印刷後に原稿のサイズにカットして揃えられます。そのカットの際に位置がわずかにズレてしまうことがあり、カットする位置までしか色が塗られていないと、仕上がった用紙に白い部分が出てしまいます。
白い部分が出ないようにするには、仕上がりサイズより上下左右とも3mm程度外側まで色や絵柄を描く「塗り足し」をしてください。
また絵本のページを見開いた中央部分の「ノド」とよばれる箇所は、製本すると見えなくなったり、左右のページにズレが出てしまったりします。ノド部分には、重要なイラストや文字は配置しないように作成しましょう。

この記事では、絵本におすすめの印刷方法や用紙の選び方、製本方法など印刷会社に依頼するポイントについて紹介しました。
オリジナルの絵本を印刷会社で印刷と製本をすれば、1冊1,000円前後で書店にある絵本のような仕上がりになります。少部数でコストを抑えたいからにはオンデマンド印刷がおすすめです。しかし、仕上がりにこだわりたい方はオフセット印刷を選ぶといいでしょう。また、PP加工の利用や表紙と本文の間に使う見返しとよばれる用紙の種類を変えるなどオプション加工を活用することでより華やかな絵本にすることができます。
あなたのオリジナル絵本を、印刷から製本まで対応してくれる印刷会社に頼んでみてはいかがでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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