くるみ製本とは?

更新:2023年8月8日

くるみ製本

くるみ製本で本を作成すると背表紙ができ、しっかりとした印象で高級感がアップすると言われています。
とはいえ、作ろうとしている冊子は本当にくるみ製本でいいのか、ほかの方法と何が違うのか、わからない方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、ほかの製本方法との違いも含めてくるみ製本のメリット・デメリットもご紹介していきます。

くるみ製本とは「くるみ綴じ」ともよばれ、本文ページの背を強力なノリで綴じ、表紙でくるんだ製本方法です。「線」とよばれるホチキスや糸を使用しないで製本するため「無線綴じ」ともいいます。
くるみ綴じは、マンガの単行本や文庫本、ページの多いカタログなどでよく活用されています。
本文ページを表紙でくるむことでできる背表紙へ、タイトルなどの文字を入れられます。また、くるみ綴じで作ったカタログなどはページ数が多くてもきれいに仕上がり、高級感が出やすいのが特徴です。

メリット デメリット
・背表紙ができる
・両面印刷で500ページまでのページが多い本を作成できる
・強度があり長期の保存向き
・高級感が出やすい
・見開き2ページのレイアウトデザインに向かない
・24ページ以下の少ないページ数では綴じることができない

くるみ製本(無線綴じ)のメリットとデメリットを簡単に書きだしてみました。
くるみ製本(無線綴じ)の最大の長所は、本棚に並べたときに冊子のタイトルがひと目で分かる背表紙を設けられることです。
幅が4㎜以上の背表紙であれば、タイトルの文字を印刷できます。
本棚に並べたとき、背表紙にタイトルがあると本の内容をすばやく伝えられます。探し出しやすくなり整理するのに便利です。

くるみ製本(無線綴じ)は、用紙を綴じるだけなら用紙の枚数で250枚まで1冊220円~275円で綴じられます。原稿の持ち込みができない場合は、くるみ綴じの料金以外にモノクロで1枚8円、カラーで1枚30円~60円の印刷料金が別途かかる業者もあります。印刷料金は、モノクロで1枚8円、カラーで1枚30円~60円です。

またカラー印刷でくるみ綴じを行う場合、印刷と製本がセットの料金になっている業者の方が、コピー代が別途かかる業者より価格が安いことがあります。

くるみ製本(無線綴じ)の単価は、印刷する部数が増えたり、長めの納期で業者に依頼したりすることで安くできます。納期は2~3日長く設定するだけで1冊あたり50円前後安くなることがあるので、注文前に確認するよいでしょう。

くるみ製本(無線綴じ)と同じくらい一般的な製本方法に「中綴じ」があります。中綴じは、印刷した用紙を重ねて中央から二つ折りにし、折り目部分に針金や糸を通して固定する製本方法です。
くるみ製本でページ数の少ない冊子を作成すると、冊子全体が反り返ってしまうなどうまく仕上がらない場合があります。
中綴じは、8~52ページの用紙を綴じる際によく使われます。表紙を含めても少ないページ数の冊子におすすめです。
またくるみ製本では、本文ページを見開いた中央部分が完全には開かず「ノド」とよばれる綴じ代部分が見えなくなってしまいます。
中綴じは見開きページを180度開くことができます。写真やイラストなど、ページを開いた紙面いっぱいの見開きレイアウトが可能です。
つまり、ページ数が少なく、見開きレイアウトで作成したい場合に適しています。

くるみ製本(無線綴じ)を作成する際はページ数や対応可能サイズなど制約があります。冊子作成を検討する際はぜひ下記を参考にしてみてください。

印刷可能ページ数 2ページ~1,000ページ前後
※紙の種類や厚さ、印刷会社によっても異なります。
部数 1部~1,000部
※印刷会社によって異なります。
納期 即日~1週間での出荷
※印刷会社によって異なります。

対応可能サイズ

冊子のサイズ

部数についてはWEBサイトから直接ご注文いただけますが、300部以上など大量に印刷する場合は事前問い合わせが必要となることがあります。
納期については早いところで即日出荷もありますが、その他にも3営業日、5営業日、7営業日出荷が可能なところもあります。

また、くるみ製本を業者に依頼する場合、印刷時に選べる用紙も複数取り扱いがあります。筆記に適している用紙や発色が鮮やかな用紙など、ジャンル別用紙の選び方についてはこちらをご覧ください。

くるみ製本(無線綴じ)の印刷用データを作成する方法をご説明していきます。
本文の印刷用データを作成する際に気をつけて欲しいのが、「ノド」と呼ばれる冊子を開いたときの中側にあたる部分の余白です。
くるみ製本では用紙を綴じたときに、ノドが少しかくれてしまうので、その部分を考慮した15mm~20mmほどの余白が必要になります。重要な文章や大切な画像などは、ノドから離して作成するとさらに安心です。

冊子製本キングでは、印刷用データ作りのためのテンプレートをご用意しております。
マイクロソフト社の「Word(ワード)」「PowerPoint(パワーポイント)」とアドビ社の「Illustrator(イラストレーター)」の3つのソフトウェアごとにございます。必要に応じてご対応のソフトウェアを確認の上ご使用ください。
どのアプリケーションも、ご入稿の際には「PDF形式」への変換をお願いいたします。

「背表紙のデータ作成方法」と「表紙データの作り方」については、次で詳しくご説明していきます。

くるみ製本(無線綴じ)には背表紙があります。
背表紙は、表紙(表1)と裏表紙(表4)の間に入り1枚の紙に印刷されます。表紙と裏表紙は完成サイズと同じですが、背表紙の幅はページ数で変わってきます。
どれくらいの背幅(背表紙の幅)かは「ページ数 × 使用する紙の厚さ」で計算できます。
背幅が4㎜以上あれば、文字がきれいに見えるように印刷できます。背幅が3㎜未満の場合は文字が読みづらく、印刷や製本の際にはずれる可能性がありますので、何も入れない方が無難です。
「冊子の背表紙を作るコツ」のページ内で、背幅を自動で計算するツールをご用意いたしております。サイズとページ数を入力し、用紙を選んでいただくと算出されますのでぜひご利用ください。

また背幅があっても、背と表紙、背と裏表紙の境目に重要な事柄をデザインすると、こちらもずれる可能性があるのでご注意ください。
データの作成は、表紙と裏表紙のデータと、背表紙だけのデータの3つを作成してください。ただし、全部が繋がった表紙のデザインをご希望の場合は、データも繋げて作成してください。
背表紙について特に希望がなければ、表紙を引き延ばして背表紙にします。引き延ばしが難しいデザインであれば、白色の背表紙にて作成させていただきます。
背表紙のデータの詳しい作成方法は「背表紙を作るコツ」にて、アプリケーションごとにご説明させていただいております。ぜひご参照ください。

くるみ製本(無線綴じ)の表紙は「表1」「表2」「表3」「表4」の4ページ分を作る必要があります。

くるみ製本で作成する表紙の種類

表紙の種類 表紙の概要
表1 表紙とよばれる最初のページ
表2 表1の裏面
表3 表4の裏面
表4 裏表紙とよばれる最後のページ

ページを数えるときは表紙も含まれるため「表1」は1ページ「表2」は2ページになります。
表2や表3に印刷データが無くても、1ページ分として数えて作成してください。文章や図が入っていない真っ白なページでのデータ作成をお願いします。
データの作成には、弊社がご用意しておりますテンプレートのご利用を推奨しております。テンプレートに従って作成することで、弊社印刷用のデザインデータを完成させることができます。
また、くるみ綴じで作成する本の表紙に、傷や色移りを防ぐ耐久性に優れたPP加工をオプションで施せます。PP加工をすれば、傷や色移りの防止になり耐久性がアップします。さらに高級感も増しますのでご検討ください。
表紙について、詳しくは「表紙の基礎知識」をご参照ください。

この記事ではくるみ製本についてご紹介してきました。
くるみ製本と無線綴じと同様の製本方法です。最大のポイントは背表紙があり、ページ数が多い冊子も美しく仕上がる点です。かっちりとした雰囲気があり、高級感のある仕上がりが期待できます。
背表紙が欲しい場合や、ページ数が多いのであれば、ぜひくるみ製本で作成してみてください。背表紙にタイトルの文字も印刷できるので、本棚に並べても見つけやすくおすすめです。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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