冊子とは?

更新:2020年6月24日

コラム_冊子とは

冊子という言葉を何となく使っている人も多いかもしれませんが、明確な定義をご存じですか?冊子と一言で言っても、内容や用途などさまざまな種類があります。そこで、綴じ方やサイズ、用紙といった基本的な知識をご紹介します。冊子を作る際の参考にしてみてくださいね。

冊子とは、表紙や本文といった印刷物を綴じたもののことをいいます。厳密には、和風のものを冊子、洋風のものを本と呼ぶこともあるようです。また似た意味の単語に「小冊子」というものがありますが、これは5ページから48ページまでの冊子のことをいいます。4ページ以下のものは冊子ではなくリーフレットという扱いになります。

ページについて

冊子は4の倍数のページ数で作るのが基本です。冊子のページの数え方は、表紙が1ページ目、表紙の裏面が2ページ目、本文の始まりにあたるページを3ページ目と数えます。本文の最終ページ、裏表紙の裏面、裏表紙と数えていき、裏表紙が最後のページとなります。冊子を作る際は、表紙や裏表紙を含めたページ数を考えなければいけません。

ページの数え方をイラストで確認する ページの数え方をイラストで確認する

冊子のサイズについて

冊子によく使われるサイズは、A4・B5・A5・B6・A6などです。冊子にはさまざまサイズのものがあり、用途によってサイズを使い分けることができます。

A4(210mm×297mm)サイズは、報告書や写真集などによく使われる、B5(182mm×257mm)サイズはA4より少し小さいサイズで週刊誌や雑誌などで使われています。

A5(148mm×210mm)サイズはA4の半分の大きさで、教科書などによく使われています。B6は単行本、A6は文庫本がおすすめです。他にも新書本に使われる新書版やフリーペーパーに使われるタブロイド判、新聞に使われるブランケット版などさまざまなサイズがあります。

冊子サイズ比較

冊子を作る際には、綴じ方に種類があることを知っておく必要があります。

無線綴じ

無線綴じとは、本にしたいページを順番に重ねていき、背表紙部分を糊で綴じて表紙で包む綴じ方です。背表紙部分に糊付けできるようなある程度の面積が必要なので、ページ数が多い冊子に向いています。例えば、漫画本や問題集、商品カタログといった冊子で使われています。

無線綴じの冊子は、ページを開いたときに境目の部分まで完全に見開くことができません。レイアウトによっては背表紙側が見えにくくなってしまうため、作成するときには背表紙部分から離して本文や図を挿入する必要があります。

無線綴じ
無線綴じ

中綴じ

見開いた状態の紙を二つ折りにし、見開いた際の真ん中を針金や糸で綴じる綴じ方です。データ入稿時に順番を考えてページ数を振る必要があります。一枚の用紙で4ページ分となるため、冊子全体のページ数は必ず4の倍数になるという制限があります。

真ん中を綴じられる程度の薄めの冊子に向いており、雑誌などによく使われている方法です。完全に見開くことができるので、写真を大きくレイアウトしたいときにおすすめの綴じ方です。

中綴じ
中綴じ

平綴じ

平綴じは、針金や糸で冊子のノドまたは天に沿って端部を綴じる綴じ方です。端部から5mmほどの位置を綴じるため、ページを開いたときに境目の部分まで完全に見開くことができません。メモ帳や領収書などによく使われ、安価に短時間で綴じることができます。

糸かがり綴じ

糸かがり綴じは糸と接着剤を使って冊子の背表紙部分を綴じる綴じ方です。耐久性に優れ、ハードカバーや辞書など厚い本でも製本できます。作業工数が多いため、コストがかかりやすいです。

リング綴じ

全ページに穴をあけ、穴にプラスチックまたは金属のリングを通し固定する綴じ方です。綴じ具として、スパイラルやツインリングと呼ばれるリングが使われます。見開きやすいことが特徴で、ノートやカレンダーなどにおすすめです。

冊子を作成する際には、用途や内容、綴じ方によって用紙の種類を使い分けます。用紙の種類についての特徴をご紹介します。

上質紙

上質紙とはコピー用紙に近い用紙であり、きめが細かいのが特徴です。ツヤのある用紙とは違って、落ち着いた雰囲気に仕上がります。視認性に優れているため論文や文集といった書籍によく使用されています。

上質紙の写真

コート紙

コート紙とはパンフレットなどでよく使われているツヤのある用紙のことをいいます。ツヤはありますが、インクジェット紙のような素材ではなくしっとりとした触り心地なのが特徴です。発色が良く、写真を使用する場合におすすめです。

コート紙の写真

マット紙

マット紙はコート紙とは逆の性質を持っており、光沢が抑えられた用紙です。光沢のある用紙は反射でちらつくこともありますが、マット紙はそのようなことがほとんどありません。上質紙よりも発色や視認性が良いのが特徴であり、文字を使う冊子によく使用されています。

マットコート紙の写真

b7バルキー

b7バルキーとは、書籍用に使われる一般的な用紙です。柔らかい紙質とザラザラとした表面が特徴で、ペンでの書き込みをしやすい用紙になっています。雑誌や書籍、問題集など、直接書き込むような冊子によく使われています。

b7バルキーの写真

ラフクリーム

ラフクリームは、文字通り淡い黄色の見た目をしている用紙です。手触りが柔らかく、ページ数の多い冊子に使用しても軽く仕上げることができます。保存性に優れているため、文庫本や記念誌など、長期的に保存したいような冊子におすすめです。

ラフクリームの写真

アイベスト

アイベストは少し光沢のある用紙であり、厚みもあることから表紙や名刺などによく使われています。色彩も豊なので写真を使う冊子におすすめです。

アイベストの写真

さまざまな種類の冊子がありますが、その中でもパンフレットとカタログ、報告書におすすめの仕様をご紹介します。

パンフレット

旅行や企業の製品紹介などでも使われるパンフレットは、大きめのA4サイズがおすすめです。ページ数が少ない場合は綴じ方を中綴じにします。コート紙90kg、16ページで1部792円からとなっています。

カタログ

ファッションや食べ物家具など幅広い分野で使われるカタログは、カタログを見て買ってもらうことが目的なので見やすさが重要です。薄手のものは中綴じ、分厚いものは無線綴じがおすすめです。無線綴じのA4サイズで注文した場合、両面カラーのコート紙110kgで1部815円からとなっています。

報告書

報告書は文量が多い場合が多いため、分厚いものを綴じられる無線綴じがおすすめです。モノクロの上質紙90kg使用し、100ページで1部961円からとなっています。

印刷の方法には、オンデマンド印刷とオフセット印刷の二種類があります。それぞれの特徴をご紹介します。

オフセット印刷

オフセット印刷とは版を使う方法のことをいい、版と用紙が触れないことからこの呼び名がつきました。品質が高い代わりに、版が必要なので費用もかかってしまいます。版を作ること自体に費用がかかるため、大量に部数におすすめの方法です。

オンデマンド印刷

版を作る必要があるオフセット印刷に対して、オンデマンド印刷は版を作る必要がありません。高性能のプリンターを使って必要な分だけを刷ることができます。原稿さえあればいいため、部数が少ない場合におすすめです。

冊子についての知識をご紹介してきましたが、他にも知っておきたい用語があります。いざ冊子を作成するとなったときに困ることのないよう、前もって知識を身に付けておきましょう。

背幅

背表紙の幅のことを背幅といいます。背表紙に文字を入れる場合は、背幅を考慮した上でデザインする必要があります。一般的には「本文のページ数÷2×紙の厚み+表紙の紙の厚み×2」の式で計算することができます。

ノンブル

ノンブルとは、冊子の下の方に記載されているページ番号のことをいいます。講義で使うテキストや説明書などの資料を作成する際は必ずノンブルが必要です。読む人にとってもページ数や目次の役割を果たしてくれますが、業者にとってもページ数間違いをしないために大切な意味合いがあります。

台割

冊子を作る際には全体のページ数や内容、構成などを考える必要がありますが、その構成のことを台割といいます。ページ数が多くても少なくても台割が決まらなければ冊子作りは進みません。

面付け

ページの組み合わせを考えることを面付けといいます。これを間違えてしまうと、ページ数がバラバラになってしまうため注意が必要です。

丁合・折丁

折丁(おりちょう)は大きな用紙に複数のページを印刷して製本する際に、ページ順に並ぶように用紙を折りたたんで作った本の中身の一部のことです。丁合(ちょうあい)は、折丁を正しい順番に並べ、束にする作業のことです。

フライヤーや折り込み広告、ジャバラ折りのパンフレットは折丁が印刷の最終工程になり、「ペラ丁」ともよばれます。現在はほとんどの折り作業は機械化されており、不規則な形式の印刷物の場合に手作業で行われることがあります。

冊子にはさまざまな種類があり、用途によって使い分けることができるということが分かりました。冊子の定義や製本方法の違い、ページ数やサイズなど、冊子を作る際に知っておきたい知識をご紹介してきました。冊子を作る際にはぜひ参考にしてみてください。

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