【図解あり】冊子の種類(製本の綴じ方)について徹底解説
冊子の綴じ方の種類紹介
雑誌やパンフレット、文庫本など、身の回りには多くの冊子が存在しています。
その製本方法は多岐に渡るため、どのようなものが適しているかわからないこともありますよ
ね。
今回は、製本に用いられる綴じ方について紹介していきます。
製本には「中綴じ」や「無線綴じ」がよく用いられていますが、ページ数や見栄え、耐久性な
ど、何を重視するかによって綴じ方も変わってきます。
冊子は主に針金や接着剤、糸で綴じられています。
一般的に印刷所で利用できるのは針金や接着剤での製本方法で、糸を使った綴じ方は特殊です。
まずどのような冊子を作るのか決め、次に製本方法を選んでいくと良いでしょう。
ページ数が少ない場合は『中綴じ』
表紙と本文、すべてのページを開いた状態で重ね、折り目部分を針金で綴じる方法です。
表紙を含めて、8ページから印刷が可能です。
ページ数は必ず4の倍数となります。
印刷できるページ数は印刷所によって変わりますが、針金で留めているため限界があります。
弊社では表紙を含めて52ページまでであれば製本することができます。
また、ページ数が増えるとその分外側のページ
と内側のページ幅に差が出てしまい、裁断され
る部分が発生するため、ページ数が多い冊子に
は不向きです。(右図参照)
一方、中綴じは根元部分まで開くことができる
ため、写真やイラストを見開きでレイアウトす
る場合には向いています。
また、大量に印刷をする際には無線綴じに比べ
て安価で仕上がるというコスト面のメリットも
あります。
使用例 : 週刊誌 / パンフレット / 楽譜 / 会社案内 / 説明書 など
▼中綴じ冊子製本をご希望の方はこちらをクリック
ページ数が多い場合は『無線綴じ』
本文の背を接着剤で固めて、表紙用紙でくるむ方法です。
表紙を含めて、24ページから印刷が可能です。
本文の総ページ数は2ページ単位で調整が可能で、ページ数が増えても見栄えよく印刷するこ
とができます。
ページ数が少なすぎると背表紙ができないため、注意が必要です。
また、加工の特性上無線綴じは根本まで開くことができないため、見開きを使ったデザインに
は不向きです。
文字や図を配置すると、見えにくくなる可能性もあります。
使用例 : 長期的な保管を目的とした本… 文庫本 / 辞書 / カタログ など
■背表紙について
ページ数が増えると、冊子の厚み分の背幅が必要になります。
背幅は、「ページ数 × 使用する紙の厚さ」で計算することができます。
一般的に、背幅が4mm以上あると背表紙にタイトルなどを綺麗に印刷することができます。
背幅が3mm未満の場合は文字が読みづらく、印刷がずれることもあります。
ページ数が少ない場合には、背表紙に文字を印刷しないほうが綺麗な仕上がりになります。
▼無線綴じ冊子製本をご希望の方はこちらをクリック
『中綴じ』と『無線綴じ』の比較表
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中綴じ |
無線綴じ |
イメージ画像 |
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綴じ方 |
針金 |
糊(接着剤) |
印刷可能な ページ数 |
8ページ〜52ページ ※表紙を含める |
24ページ〜500ページ ※表紙を含める |
ページ数 |
4の倍数 |
2の倍数 |
メリット |
- 根元まで開くことができる
- 写真やイラストを見開きでレイアウトしても見やすい
- 無線綴じに比べて安価で仕上がる
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- ページ数が多くても見栄えよく印刷することができる
- 丈夫、高級感がある
- 背表紙をつけることができる
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デメリット |
- 針金で留めているため、ページ数が増えるほど強度が落ちる
- ページ数が増えると外側と内側のページ幅に差が出る
- 背表紙がつけられない
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- ページ数が少なすぎると背表紙ができない
- 根元まで開くことができない
- 見開きを活かしたレイアウトには向かない
- 綴じ代付近の文字や図は見えにくくなる可能性がある
- 中綴じに比べて価格が高い
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使用例 |
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- 長期的な保管を目的とした本
- 文庫本
- 辞書
- カタログ
- 写真集
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その他の製本方法の種類紹介
・平綴じ
背から5mm程度の所を、針金や糸で綴じる方法です。
針金(ホチキス)で綴じる際には、「ホチキス留め」ということもあります。
簡単に作成することができるため、オフィスや学校の資料作りによく用いられます。
ノド近くを留めているため、丈夫ですが冊子を完全に開くことはできません。
見開きの写真などを含む場合には不向きです。
印刷する際には、綴じ代として余白を作ると見やすく仕上がります。
ページ数が増えると針金で留められなくなり強度も落ちてしまうため、ページ数が少ない冊子向
けです。
・糸綴じ
本の背を糸でかがって綴じる方法です。
耐久性に優れており長持ちします。
本のノドいっぱいまで開きやすく、見開きのレイアウトにも向いていますが、手間とコストがか
かるというデメリットもあります。
使用例 : 長期間使われる本… 辞書 / 百科事典 / 写真集 など
・中綴じミシン製本
中綴じ同様、表紙と本文すべてのページを開いて中心を糸で綴じる方法です。
使用する糸の色によって、与える印象が変わります。
ページを180度開くことが出来るため、見開きを用いたレイアウトにも向いています。
本文数が増えると耐久性が落ち、ページにもずれが生じてしまうため、一般的には40ページ以下
の製本が推奨されています。
本文のページ数は、4の倍数になるように調整しましょう。
使用例 : アルバム / 写真集 / 作品集 / 絵本 / 手帳 など
・和綴じ
二つ折りにした和紙に表紙をつけて、右側を丈夫な糸で綴じる方法です。
針金や接着剤を使用しないため経年劣化しにくく、耐久性に優れています。
ノド側に穴を開けて糸を通すため、通常の無線綴じよりもやや開きにくくなります。
そのため文字やイラストは、綴じ側から30mm程度離して配置すると見やすくなります。
・あじろ綴じ
無線綴じをより改良したものです。本の背の部分に切り込みを入れ、接着剤を浸透させます。
本のノドいっぱいまで開くことができ、無線綴じに比べより強度があります。
・PUR綴じ
無線綴じの接着材に、PUR系ホットメルト接着剤を用いた方法です。
通常の無線綴じよりも開きやすくなっているため、見開きでのデザインがしやすい、ノド部分が見
やすくなるといったメリットがあります。
また、耐久性、耐熱性に優れており、屋外での使用にもお勧めです。
通常の無線綴じに比べるとややコストが上がることと、接着に時間がかかるため印刷日数が延びる
というデメリットがあります。
使用例 : 写真集 / パンフレット / 地図 / レシピ本 など
・リング製本
本文、表紙に穴を開け、プラスチックのリングで留める方法です。
メモ帳やリングノートなどでよく目にする製本方法です。
360度ページを開くことができるため、プレゼン資料やマニュアルなどビジネスシーンに向いてい
ます。
使用例 : カレンダー / マニュアル / 絵本 など
右綴じ、左綴じとは?
右綴じ
冊子の右側が綴じられています。
向かって右側にページをめくる形で読み進めていきます。
縦書きの文章を用いた場合の、一般的な綴じ方です。
小説や教科書、写真集、雑誌など、国内で生活するうえでよく目にする冊子は、ほとんどが右
綴じで作成されています。
左綴じ
冊子の左側が綴じられています。
向かって左側にページをめくる形で読み進めていきます。
横書きの文章を用いた場合の、一般的な綴じ方です。
横書きで文章が書かれたパンフレットや冊子は左綴じがほとんどです。
※基本的には文章の「縦書き」か「横書き」かが判断基準となりますが、作成する印刷物の種
類によって綴じ方が変わってきます。
原稿を作成する前に、必ず綴じ方を確認しましょう。
上製本と並製本とは?
上製本
中身を別仕立ての厚い表紙でくるむ方法です。
ハードカバーとも呼ばれています。
表紙が本文よりも一回り大きく、この寸法の差のことを「チリ」といいます。
このチリが上製本の特徴です。
チリがあることで本文をしっかりと保護することができるので、丈夫な本に仕上がります。
そのため長期保存に優れているというメリットがあります。
また、表紙の厚紙を布や革でくるみ、贅沢な仕様にすることも可能です。
並製本に比べると工程が多くコストや納期がかかるというデメリットがありますが、立派な本
を作成する際におすすめです。
使用例 : 小説 / 絵本 / 記念誌 / 写真集 など
並製本
接着剤や針金や糸、リングなどで綴じる方法です。
「中綴じ」「無線綴じ」「平綴じ」が分類されます。
表紙が柔らかく、本文と同じ大きさになることが特徴です。
別名、ソフトカバーとも呼ばれます。
上製本に比べると簡単な作りで、短期間で大量に制作でき、コストを抑えることができるとい
うメリットがあります。
使用例 : パンフレット / カタログ / 小冊子 など
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まとめ
一口に製本方法といっても、作成する冊子によって適した綴じ方は異なります。
冊子の用途や納期、コストなどの条件を確認して、適した製本方法を選んでいきましょう。