小冊子とは?

更新:2023年8月31日

コラム_小冊子とは

「小冊子」とは、小型でページ数の少ない本や書物をさします。しかし、近頃では多種多様な形の書物がでてきていることもあり、ただサイズが小さいということだけでは「小冊子」ということはできなくなっています。(ちなみに「国際連合教育科学文化機関」のユネスコでは、5~48ページの書物を「小冊子」として定義しています。)
小冊子の中で代表的なものは「パンフレット」などの無料配布されるページ数の少ないものです。チェーン店に置いてある商品を何枚かの紙でまとめたメニュー表も小冊子と呼ぶことができます。いろいろな用途に使われ、多岐に渡る小冊子ですが、実際にはその綴じ方や表紙によってさまざまな種類に分けることができるのはご存知でしょうか?

今日は、その中でも簡単なものを抜粋してご紹介したいと思います。
これからパンフレットなどを作成する予定がある人や、小冊子のデザインに悩んでいる人は、ぜひ本ページを参考にして、素敵な小冊子作製にご活用ください。

「小冊子」とは、小型でページ数の少ない本や書物をさします。代表的なものとしては会社案内のパンフレットや飲食店のメニュー表によく使われます。「国際連合教育科学文化機関」のユネスコでは、“小冊子とは、いずれかの一国で出版され、かつ、公衆の利用に供される少なくとも5 ページ以上48 ページ以下(表紙を除く。)の印刷された非定期刊行物”と定義されています。

小冊子の良さを知るうえで欠かせないのが「比較」です。小冊子とその他の印刷物がもつ特徴を比べて小冊子の良さを理解しましょう。

メリット「情報量が多く、伝えたいことをより具体的に伝えることができる!」

チラシと小冊子を比較した際のメリットは、「情報量が多く、伝えたいことをより具体的に伝えることができる」という点です。

チラシはどんなに用紙のサイズを大きくしても用紙は一枚なため、伝えたい情報が限られてきます。例えば、スーパーの特売チラシのように、掲載する情報が価格などの数字やインパクトのあるものであればいいかもしれませんが、そうでない限りチラシでは伝えたいことが限られ、チラシを見た人に相手に淡白な印象を与えかねません。

しかし、小冊子はページ数が多い分、伝えたいことを具体的にたくさん掲載できます。また、小冊子にイラストや絵、グラフを組み合わせれば、より相手に具体的なイメージをもってもらうことが可能です。

デメリット「情報量が多すぎて相手に何を伝えたいのかを明確にできない…」

チラシと小冊子を比較した際のデメリットは、「情報量が多すぎて相手に何を伝えたいのかを明確にできない」とういう点です。そのため、本当に伝えたいことを絞って小冊子を作成する必要があるため、文章の構成などは先に考えるようにしましょう。

メリット「コンパクトに作成することができる!」

書籍と小冊子を比較した際のメリットは、「コンパクトに作成することができる」という点です。小冊子では少ないページに伝えたい内容をまとめることにより、書籍よりも多くの読者の方に最後まで見てもらいやすくなります。

デメリット「ブランド力を維持することが難しい…」

書籍と小冊子を比較した際のデメリットは、「ブランド力を維持することが難しい」という点です。小冊子は書籍と比べると低価格で作成ができるため用紙の質も価格の低いものを用いることが多い傾向にあります。これによって読者には、「簡易なもの」という印象を抱かれがちです。シリーズ化を目指している小冊子では、このような作りでも問題はありませんが、一冊に全てをかけているという意気込みで作成する本としては、説得力が弱くなります。

中綴じ
中綴じ

中綴じは、印刷した用紙を重ねて中央から二つ折りにし、折り目部分に針金や糸を通して固定する製本方法です。作り方はA4の小冊子を作成したい場合にはA4の用紙を2枚並べた大きさ(今回の場合はA3)の用紙にデータを刷って半分に折ります。
表紙と本編を二つ折りにして綴じるため、ページは8ページ、16ページなどと必ず4の倍数になります。用紙を折り、本の背の中央部分を針金で留めるだけで完成します。
ページ数が多い小冊子に中綴じは不向きなので、束厚14mm~15mmを超える場合は無線綴じを検討してみてください。
小冊子の用紙の枚数が多すぎると、折り込み時に用紙がはみ出すなどの影響が出ます。

無線綴じ
無線綴じ

無線綴じとは本の背を接着剤で固めた綴じ方です。
作り方は用紙を一枚ずつページ順に並べ、本の背に接着剤をつけます。無線綴じで冊子を制作すると、ページとページ間に隙間を作らないので、コンパクトな仕上がりになります。
また、無線綴じはしっかりと製本できるので、ページ数が多い小冊子の場合にも重宝します。
ただし、接着剤はそれほど強度があるわけではなく、暑さや寒さなど気温の影響によってはがれてしまうこともあります。また、乱暴な扱いをすると表紙と本編が分離して、冊子が壊れてしまう場合もありますので、無線綴じ小冊子の保管方法や取扱い方には注意が必要です。

PUR綴じは接着剤で接着させているため、無線綴じと見た目に変わりはありませんが、建築パネルや自動車内装材等で多く使われている接着剤を使用しているため、丈夫な作りとなっています。冊子を広げても閉じずに広げたままにでき、暑さや寒さなどの気温の影響にも強い冊子が制作できるという特徴があります。
PUR綴じで製本すると冊子がしなやかなため、教科書のように長時間開いたままにする小冊子に使用すると、抜群の効果を発揮します。近年、多くの冊子や小冊子でもPUR綴じが活用されています。

小冊子は綴じ方によって用途が様々です。
実際にどんな場面で利用されているのか、小冊子のサイズやページ数も参考にしながらご紹介します。

このように小冊子は小冊子以外の物と比較することで見えてくる特徴があり、綴じ方も3種類に分類できます。少ないページ数の中で伝えたいことを明確にすることで伝わり方は大きく変わります。小冊子制作はこれで正解ということものはなく、それぞれの本の制作方法に良さがあります。そしてそれぞれの制作方法に合った綴じ方を選ぶことが大切です。